
「君は」
「はい」
「宇宙で迷子になったら、どうします」
「ええと…。生きることはできるんですか」
「はい。」
「それなら、泳ぎます」
「……」
「どうか、しましたか」
「すこし驚いてしまいました」
「どうして?」
「君は、いつも死にたそうではありませんか」
「失敬な。生きるのが嫌なだけです」
「同じでしょう」
「違いますよ。命は絶ちません。ただ、なにもしないだけです」
「生きているのに何もしないというのですか?傲慢ですね。それでいて強欲で不純です」
「何もしないということにあなたは自由を感じないのですか?それとも自由はいらないとでも?あなたのほうが偽善で不純でしょう」
「……話がそれました」
「……すみません」
「しかし、君の言い分では『宇宙で何もせずに死んでゆく』ほうが楽なのではありませんか」
「いいえ。だから死にたくないと言っているのです。宇宙はまだ未開でしょう。神秘です。私は宇宙には興味があります。まだ未発見の惑星にはどんな生物が住んでいるか、もしかしたら人間とそっくりの生物がいるかもしれません。こんな箱、誰が開けずに放って置きますか」
「しかし、その惑星が死の星ではどうするんです。血に飢えた植物や生物が繁殖し、君を殺戮してしまうパンドラの箱かもしれませんよ。寧ろ、そんな惑星は存在しないのかもしれない」
「あなたの悲観的思考には溜め息がもれます。素敵ですね。常に自分が1秒後に死ぬかも、などと考えているのでしょうか。素晴らしいですね。」
「馬鹿にしているのですか」
「当たり前です」
「……私は、現実を見据えて結論を出すのです。悲観的思考ではありません」
「ああ、私はあなたのそういうところが好きです。何を言われても頭の良い返事をして、あなたの脳内では私はもう死んでいるのでしょう?ねえ、何回人を殺しましたか」
「やめてください。気持ちが悪い。そんなことを考えてはいません」
「嘘吐き。なんなら私を殺してくれてもいい」
「やめてください」
「いったでしょう。私はあなたが好きですよ」
「やめてくださいといっているんです」
「一緒に死にましょう」
「……っヤメ て くだ、さい」
「すみません。いじめすぎました」
「許しません…。今、私は君を100万回ころしました」
「ようやく。ありがとうございます」
「私は死にません」
「死にます」
「どうして?」
「私はあなただから」
『double mind world』
自問自答。
自分との葛藤。
そして、融合。
二重人格です。